克する(読み)コクスル

デジタル大辞泉 「克する」の意味・読み・例文・類語

こく・する【克する/×剋する】

[動サ変][文]こく・す[サ変]
五行運行で、相克する。また、二つのものが対立して互いに争う。
両性あい―・するような家庭は」〈藤村新生
負かす。しのぐ。
良人を―・する腕前にかけては」〈獅子文六自由学校

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精選版 日本国語大辞典 「克する」の意味・読み・例文・類語

こく‐・する【克・剋】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]こく・す 〘 自動詞 サ行変 〙 五行(ごぎょう)の運行で、相克する。二つのものが対立し、侵しあう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]こく・す 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. 負かす。侵す。そこなう。しのぐ。やっつける。
      1. [初出の実例]「しもがかみを尅す」(出典:名語記(1275)五)
      2. 「『夫を剋する顔だ』と主人は猶口惜しさうである」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三)
    2. 切って細かくする。
      1. [初出の実例]「猪の毛十把を尅し末(まつ)して」(出典今昔物語集(1120頃か)二四)

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