精選版 日本国語大辞典 「入り会」の意味・読み・例文・類語
いり‐あい‥あひ【入会・入相・入合】
- 〘 名詞 〙
- ① 一定地域の住民が一定の山林原野などを共同に使用収益すること。肥料あるいは飼料用の草や、生活資材の薪炭材、家作木、建築用石材などを採取した。また、池や海面を共同に使用することをいう場合もある。立会。入込。
- [初出の実例]「せんせんよりさかひなく、入あひにかり候山野の事」(出典:塵芥集(1536)一二二条)
- ② 双方からはいりこむこと。入り組んでいること。
- [初出の実例]「山と山とが浅く入り合いになった窪みの山裾に」(出典:一家団欒(1966)〈藤枝静男〉)
入り会の補助注記
①は令制の「山川藪沢之利公私共之」を原型とする説もある。しかし、一般には近世に領主が地方知行者の林野の知行権を否定して蔵入地(くらいりち)とし、上層の個別利用地を村落が管理するようになったとき、成立したとされる。