入江南溟(読み)いりえ・なんめい

朝日日本歴史人物事典 「入江南溟」の解説

入江南溟

没年:明和2.5.28(1765.7.15)
生年:延宝6(1678)
江戸時代中期の漢学者。江戸の人。名は忠囿,字は子園,通称は幸八。南溟,滄浪居士と号す。荻生徂徠師事,江戸で塾を開き講説を行った。終生仕えることがなかったが,秋田藩士に門人が多く,養子となって跡を継いだ入江北海秋田藩の出であった。その著述には,唐詩を詩体ごとに分け注釈を施した『唐詩句解』や『礼記』の養老制度を初学のためにわかりやすく国字(かな)で解説した『大学養老編』などがある。また,同時代の出版物に多くの序,跋文が残り,その交友の広さと学芸壇での位置を窺い知ることができる。<著作>『南溟詩集』

(高橋昌彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「入江南溟」の解説

入江南溟 いりえ-なんめい

1682-1769 江戸時代中期の儒者
天和(てんな)2年生まれ。荻生徂徠(おぎゅう-そらい)にまなび,江戸で塾をひらいた。出羽(でわ)久保田藩(秋田県)の藩士から入門者がおおく,秋田に徂徠学がひろまった。明和6年5月28日死去。88歳。江戸出身。名は忠囿(ただいく)。字(あざな)は子園。通称は幸八。別号に滄浪居士。著作に「大学養老篇」「唐詩句解」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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