朝日日本歴史人物事典 「入江南溟」の解説
入江南溟
生年:延宝6(1678)
江戸時代中期の漢学者。江戸の人。名は忠囿,字は子園,通称は幸八。南溟,滄浪居士と号す。荻生徂徠に師事,江戸で塾を開き講説を行った。終生仕えることがなかったが,秋田藩士に門人が多く,養子となって跡を継いだ入江北海も秋田藩の出であった。その著述には,唐詩を詩体ごとに分け注釈を施した『唐詩句解』や『礼記』の養老制度を初学のためにわかりやすく国字(かな)で解説した『大学養老編』などがある。また,同時代の出版物に多くの序,跋文が残り,その交友の広さと学芸壇での位置を窺い知ることができる。<著作>『南溟詩集』
(高橋昌彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報