入浜(読み)イリハマ

デジタル大辞泉 「入浜」の意味・読み・例文・類語

いり‐はま【入(り)浜】

塩田の一。満潮面よりも低い海岸に海水を流入させて製塩する法。江戸初期から瀬戸内海発達。⇔揚げ浜

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精選版 日本国語大辞典 「入浜」の意味・読み・例文・類語

いり‐はま【入浜】

  1. 〘 名詞 〙 遠浅で波の静かな海浜堤防を築き、その内部を区画して、満潮の時に自然にはいってくる海水を利用して製塩する塩田。また、その製塩法。近世初期から瀬戸内海で発達した。⇔揚浜(あげはま)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「入浜」の解説

入浜
いりはま

揚浜と並ぶ塩田の一種で,満潮時に海水を引き入れるように工夫した浜。ここで水分を蒸発させて塩分の付着した砂をえ,この砂からつくった濃厚な塩水を釜で煮ると塩ができる。干満の差が大きく,波の静かな瀬戸内地方で行われ,近世塩田の中心となり,全国に塩を供給した。近代に入り新たな製塩技術が導入されると姿を消した。

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世界大百科事典(旧版)内の入浜の言及

【塩田】より

…ただし(17)も通常流下式塩田という。塩田は基本的には揚浜系と入浜系に分けられる。揚浜とは満潮位より高位の地盤に海水をくみ揚げて操作する様式,入浜とは干満中間位に地盤を造成し,満潮を塩田内の海水プールに引き入れて操作する様式のものである。…

※「入浜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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