入違(読み)いりちがい

精選版 日本国語大辞典 「入違」の意味・読み・例文・類語

いり‐ちがい‥ちがひ【入違】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いれちがい(入違)
    1. [初出の実例]「小間使の出て行くと入違(イリチガ)ひに、〈略〉園枝は美しい姿を現したのである」(出典青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏)
  3. いれちがい(入違)
    1. [初出の実例]「八が開けたのは金いれに相違ない。〈略〉口は入違(イリチガヒ)になって銀の小さい玉を捩って開けるやうになってゐる」(出典:金貨(1909)〈森鴎外〉)
  4. 紋所で、二つのものが互いに交差していること。

いれ‐ちがい‥ちがひ【入違】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 間違って入れること。
  3. 一方が出たすぐ後に、他方がはいること。また、一方がはいったすぐ後に、他方が出ること。いりちがい。いりちがえ。いれちがえ。
    1. [初出の実例]「糊買の嬶衆(かかしゅ)と入れちがひに敷居跨げば」(出典:門三味線(1895)〈斎藤緑雨一一)
  4. 前と後ろ、右と左などのように、物の配列や動きが食い違うこと。たがいちがい。いりちがい。いりちがえ。
    1. [初出の実例]「紅緒の上草履を穿いたズボンの両脚を入違(イレチガヒ)に組みながら」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋)

いれ‐ちがえ‥ちがへ【入違】

  1. 〘 名詞 〙いれちがい(入違)
    1. [初出の実例]「入(イ)れ違(チガヘ)に、〈略〉女の子と、其妹らしい揃のリボンを懸けた子が一所に馳けて来て」(出典:門(1910)〈夏目漱石〉七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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