全日本空輸(読み)ぜんにほんくうゆ(英語表記)All Nippon Airways Co., Ltd.; ANA

改訂新版 世界大百科事典 「全日本空輸」の意味・わかりやすい解説

全日本空輸[株] (ぜんにほんくうゆ)

日本の国内定期路線および国際チャーター便運航する民間航空会社。正しくは〈ぜんにっぽんくうゆ〉と読み,略して〈全日空〉とも呼ばれる。英語名はAll Nippon Airways,略称をANAという。1952年12月に設立された日本ヘリコプター輸送が,57年12月に社名を全日本空輸と変更し,翌58年に極東航空(1952年12月設立)を吸収合併した。全日空は当初国内ローカル線を担当していたが,59年から国内幹線の定期運航を開始し,藤田航空(1963),中日本航空(1965),長崎航空(1967)を併合吸収して急成長をとげ,71年2月には近距離国際チャーター便,86年3月には国際定期便の運航を開始した。全日空は国内線の運航を主とするため旅客キロ数では日本航空より劣るが,旅客数では日本国内航空旅客において日本航空と拮抗し,アジア近距離路線にも強く,〈東洋巨人〉という異名をとるにいたった。資本金1115億円(2005年9月),売上高1兆2928億円(2005年3月期)。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「全日本空輸」の意味・わかりやすい解説

全日本空輸
ぜんにっぽんくうゆ
All Nippon Airways Co., Ltd.; ANA

世界の上位 10社に入る日本の大手航空会社。1952年日本ヘリコプター輸送として設立され,1957年現社名に変更。1958年極東航空,1963年藤田航空を合併。1965年中日本航空,1967年長崎航空の定期航空部門を統合,日本政府の規制により国内線に限定した定期航空運送事業を展開した。1971年,東京―ホンコン間の不定期便を皮切りに,東南アジアを中心とする国際不定期便に乗り出し,1986年東京―グアム間の定期運航を開始した。以後,国際定期便にも本格参入し,2011年初現在,国内 50都市,海外 27都市に乗り入れている。ボーイング787ドリームライナーの開発にあたっては,2004年最初の発注者(ローンチ・カスタマー)として 55機を発注し,2011年11月,量産 1号機を受領して定期路線に投入した。三菱航空機開発のリージョナルジェット MRJも 15機を発注している。2011年初時点の保有機は約 170機。

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