1944年の国際民間航空条約(シカゴ条約)に準拠して52年に制定された航空法に規定されている,航空機を使用して有償で旅客,貨物,郵便物を定期的に運送する航空運送事業のこと。すなわち2地点間ごとに路線を定め,その路線上を決められた日時に従って航空機を運航する方式である。定期航空は国際定期航空運送事業と国内定期航空運送事業に分けられるが,同一企業が国際線,国内線をあわせもつことができる。世界の主要航空会社は定期航空を中心に事業を営んでいる。日本の定期航空会社は1997年現在,日本航空,全日本空輸,日本エアシステム,日本アジア航空,日本貨物航空,日本トランスオーシャン航空,エアーニッポン,日本エアコミューターの8社がある。うち日本航空から日本貨物航空までの前5社は国際,国内の定期輸送をあわせ行っている。事業の開設,路線の新設等はいずれも運輸大臣の免許を必要とし,運賃・料金の設定や改訂は運輸審議会への諮問を行わねばならない。航空法はまた,定期航空運送事業者は運送約款を定めるとき,またそれを変更するときも,ともに運輸大臣の認可を受けねばならないとし,さらに運賃・料金とともに運送約款の公示を義務づけている。外国人による日本での国内定期航空運送事業は禁止されている。
定期航空といっても,国際,国内とも季節性を考慮しての運航ダイヤの組替えが行われる。ICAO(国際民間航空機関)の統計によると,ロシアを含む世界の定期航空の輸送実績は2733億有償トンキロ(1994)で,これを国際線と国内線でほぼ二分している。国際線定期輸送実績で,日本航空は87億有償トンキロを輸送し(1995),IATA(国際航空運送協会)加盟249社中2位となった。なお日本の場合,東京,大阪など大都市圏の国際空港において発着便の過密化や騒音公害対策上から,早朝,夜間の航空機の離着陸禁止を含め発着制限が課せられ,とくにそれが国際線定期便へ影響を与えていることが,大きな問題となっている。
→不定期航空
執筆者:津崎 武司
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