八帖花伝書(読み)はちじょうかでんしょ

世界大百科事典 第2版の解説

はちじょうかでんしょ【八帖花伝書】

室町末期に編集された8巻仕立ての能楽伝書。編者不明。内容は能楽起源伝説,翁立ちの々(巻一)をはじめ,調子や(うたい),あるいは稽古囃子に関する諸論および実技についての具体的知識(巻二~八)など多方面にわたる。世阿弥遺著に仮託されているが,実情は《風姿花伝ふうしかでん)》の〈物まね条々〉,および〈問答条々〉と《音曲声出口伝(こわだしくでん)》の一部を収載しているにすぎず,他の大部分は16世紀前半の小鼓打ち宮増(みやます)弥左衛門の鼓伝書をはじめ,当時の伝書類をいろいろ取り集めて構成したものらしい。

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