八幡中原遺跡(読み)やわたなかはらいせき

日本歴史地名大系 「八幡中原遺跡」の解説

八幡中原遺跡
やわたなかはらいせき

[現在地名]高崎市八幡町 中原

からす川と碓氷うすい川に挟まれた台地上に立地する。昭和五六年(一九八一)から同五七年まで第一次から第二次にわたって発掘調査された。旧石器時代から平安時代までの遺構および遺物を検出し、三〇点余の台形石器・有舌尖頭器などが出土したが、とくに古墳時代後半から奈良・平安時代を中心とした遺跡で、竪穴住居跡一七六、掘立柱建物跡三六棟を検出した。竪穴住居跡では構築途中で放棄したもの、未焼成の高坏を出土した工房跡と考えられるもの、床面積八〇平方メートルと大規模でかつ竈をもたず、子持勾玉勾玉・鏡・臼玉などの石製模造品を出土した祭祀的な性格を帯びたものなど豊富な資料が得られた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報