八拍子(読み)ヤツビョウシ

デジタル大辞泉 「八拍子」の意味・読み・例文・類語

やつ‐びょうし〔‐ビヤウシ〕【八拍子】

能楽で、謡や囃子はやしリズム基本単位。8個の拍を一単位とする本地ほんじ中心に、4拍一単位のトリ、6拍一単位の片地、2拍一単位のオクリなどを交える。

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関連語 名詞 出典 実例

精選版 日本国語大辞典 「八拍子」の意味・読み・例文・類語

やつ‐びょうし‥ビャウシ【八拍子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 能で、謡や囃子のリズムの基本単位。一単位は八拍より成り、詞章・旋律・楽句はこれをもとに構成される。やひょうし。地拍子
    1. [初出の実例]「およそ、拍子は八拍子なり。本拍子四、間の拍子四なり」(出典:五音三曲集(1460))
  3. 江戸時代、市村座の座元羽左衛門家に伝えられたという芸能。三味線を伴奏とし、扇二本を持って仕舞風に舞った。謡曲風の拍子妙味があったか。〔随筆耳嚢(1784‐1814)〕

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世界大百科事典(旧版)内の八拍子の言及

【地】より

…それらの手組には,コイ合,ツヅケ,キザミ(刻)などのように,名称に地ということばを含まないものも少なくなく,複数の地を混用するために,単純な反復とはならない場合もあるので注意を要する。また,八拍子(やつびようし)の構造における拍節上の単位を,その拍数によって本地(8拍),トリ地(4拍),片地(一地とも,6拍),オクリ地(2拍)などという。そして義太夫節では,もっとも本来的な音楽様式と考えられる地合(じあい)の略称として用いることがある。…

【地拍子】より

…能の用語で主として(うたい)のリズムを規制する法則をいう。謡は原則として8個の拍で1句を構成しているため,〈八拍子(やつびようし)〉とも呼ばれる。謡には原則として拍の位置が規定されている〈拍子合(ひようしあい)〉と,規定されていない〈拍子不合(ひようしあわず)〉とがあるが,拍子に合う謡はすべて,1句をこの八拍子に割り付ける。…

※「八拍子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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