基本単位(読み)キホンタンイ

デジタル大辞泉 「基本単位」の意味・読み・例文・類語

きほん‐たんい〔‐タンヰ〕【基本単位】

各種の物理量を測定するために設定された、互いに独立な数個の単位国際単位系(SI)では、長さ(メートル)・質量キログラム)・時間)・温度ケルビン)・電流アンペア)・物質量モル)・光度カンデラ)を基本単位とする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「基本単位」の意味・読み・例文・類語

きほん‐たんい‥タンヰ【基本単位】

  1. 〘 名詞 〙 物理的諸量のもっとも基本となる単位。CGS絶対単位系センチメートルグラム、秒、MKSA単位系のメートル、キログラム、秒、アンペアなどをいう。〔いろは引現代語大辞典(1931)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「基本単位」の意味・わかりやすい解説

基本単位
きほんたんい

単位系を構成する基本として選ばれた単位。たとえば、長さの単位と時間の単位を基本単位とすれば「長さ÷時間」で速度の単位を、「長さ÷時間÷時間」で加速度の単位を組み立てることができる。さらに質量の単位を基本単位に加えれば、「質量×加速度」によって力の単位も導くことができる。このように基本単位として少数の互いに独立した量の単位を選んでおけば、物理学法則定義を利用して、ほかの量の単位を組み立てることができる。この初めに選んだ基本単位に対し、組み立てられた単位を組立単位という。基本単位には普通、長さ、質量、時間の単位が選ばれる。これらはほかの量の単位を組み立てるのに便利なことと、単位を現示する標準が高精度で、かつ安定していることによる。しかし、工学で用いられている重力単位系では、質量の単位ではなく、力の単位である重量キログラムまたは重量ポンドを用いている。

 1960年に決議された国際単位系(SI)では、長さのメートル(m)、質量のキログラム(kg)、時間の秒(s)のほか、電流のアンペア(A)、熱力学温度のケルビン(K)、物質量のモル(mol)、光度のカンデラ(cd)の七つを基本単位としている。

[小泉袈裟勝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「基本単位」の意味・わかりやすい解説

基本単位
きほんたんい
fundamental unit

単位系を構成する基本となる少数個の単位で,それ自体が厳密な基準によって定義されたもの。単位系の他の単位はこれから組立てられる組立単位である。基本単位の選び方は任意であるが,その個数は必要最小限,その種類は共通性の高い物理量であり,しかも基準量が精密に再現され測定されるものが望ましい。力学量の基本単位として長さ,質量,時間のそれぞれに対し,CGS単位系ではセンチメートル (cm) ,グラム (g) ,秒 (s) ,MKS単位系ではメートル (m) ,キログラム (kg) ,秒を選ぶ。重力単位系では長さ,重さ,時間をとり,その基本単位はメートル,重量キログラム (kgw) ,秒である。 MKS単位系に電磁気量の基本単位として電流の単位アンペア (A) を加えたのがMKSA単位系であり,さらに基本単位として温度のケルビン (K) ,物質量のモル (mol) ,光度のカンデラ (cd) を加えたのが国際単位系SIである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「基本単位」の意味・わかりやすい解説

基本単位【きほんたんい】

各種の物理量の単位を決めるとき,少数の独立な基本的な量の単位を任意に選ぶと,他の量の単位は物理法則や定義によってそれらの組合せとして導くことができる。前者を基本単位,後者を誘導単位という。ふつう長さ,質量,時間の三つを基本単位にとるが,他に電流,熱,光,物質の量に関する基本単位が必要。基本単位の選び方により種々の単位系ができる。国際単位系では,m,kg,s,A,K,cd,molを基本単位としている。→MKS単位系
→関連項目単位

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

化学辞典 第2版 「基本単位」の解説

基本単位
キホンタンイ
fundamental units

単位系をつくる基本となる単位.単位系には古くはcgsや現在の国際単位系(SI単位)のもととなったMKS(MKSA単位系)などがあり,それぞれの単位系に対し基本単位があるが,SI単位系の基本単位は,長さ m,質量 kg,時間 s,電流 A,熱力学温度 K,光度 cd,物質量 mol である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

知恵蔵 「基本単位」の解説

基本単位

ある量体系の中で、取り決めによって互いに独立であるとみなされる諸量の1つを基本量と呼び、基本量の単位を基本単位と呼ぶ。いわゆる物理量(長さ、時間、速度、力、仕事など)は、幾何学、運動学、物理学などの諸法則によって互いに関係付けられており、いくつかの量を選んで独立の次元を持つ基本量とみなせば、その他の量はすべて基本量同士の乗算・除算の組み合わせで表せる。

(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内の基本単位の言及

【国際単位系】より

…そこで,CGS電磁単位系(CGS emu)の起電力と電気抵抗の単位をそれぞれ109倍,108倍してボルトとオームという単位を作り,これを基に電気の実用単位系が構成された。しかし,こんどはこの単位系の内蔵する長さと質量の基本単位が実用的な大きさにならず,力学の単位系と電磁気の単位系を統一することができなかった。1901年,ジョルジGiovanni Giorgiは長さ,質量,時間の単位をそれぞれメートル,キログラム,秒とし,これに電気の実用単位系中の一つの単位を加えた四つの独立な単位からなる単位系を作れば,力学的にも電磁気的にも実用的な大きさの基本単位からなる単位系ができることを示した。…

※「基本単位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android