単位系を構成する基本として選ばれた単位。たとえば、長さの単位と時間の単位を基本単位とすれば「長さ÷時間」で速度の単位を、「長さ÷時間÷時間」で加速度の単位を組み立てることができる。さらに質量の単位を基本単位に加えれば、「質量×加速度」によって力の単位も導くことができる。このように基本単位として少数の互いに独立した量の単位を選んでおけば、物理学の法則や定義を利用して、ほかの量の単位を組み立てることができる。この初めに選んだ基本単位に対し、組み立てられた単位を組立単位という。基本単位には普通、長さ、質量、時間の単位が選ばれる。これらはほかの量の単位を組み立てるのに便利なことと、単位を現示する標準が高精度で、かつ安定していることによる。しかし、工学で用いられている重力単位系では、質量の単位ではなく、力の単位である重量キログラムまたは重量ポンドを用いている。
1960年に決議された国際単位系(SI)では、長さのメートル(m)、質量のキログラム(kg)、時間の秒(s)のほか、電流のアンペア(A)、熱力学温度のケルビン(K)、物質量のモル(mol)、光度のカンデラ(cd)の七つを基本単位としている。
[小泉袈裟勝]
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単位系をつくる基本となる単位.単位系には古くはcgsや現在の国際単位系(SI単位)のもととなったMKS(MKSA単位系)などがあり,それぞれの単位系に対し基本単位があるが,SI単位系の基本単位は,長さ m,質量 kg,時間 s,電流 A,熱力学温度 K,光度 cd,物質量 mol である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…そこで,CGS電磁単位系(CGS emu)の起電力と電気抵抗の単位をそれぞれ109倍,108倍してボルトとオームという単位を作り,これを基に電気の実用単位系が構成された。しかし,こんどはこの単位系の内蔵する長さと質量の基本単位が実用的な大きさにならず,力学の単位系と電磁気の単位系を統一することができなかった。1901年,ジョルジGiovanni Giorgiは長さ,質量,時間の単位をそれぞれメートル,キログラム,秒とし,これに電気の実用単位系中の一つの単位を加えた四つの独立な単位からなる単位系を作れば,力学的にも電磁気的にも実用的な大きさの基本単位からなる単位系ができることを示した。…
※「基本単位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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