日本大百科全書(ニッポニカ) 「公債費」の意味・わかりやすい解説
公債費
こうさいひ
国や政府関係機関、地方公共団体が過去に発行した公債や借入金の債務償還費および利払費、そして公債発行等の事務取扱費から構成される経費。
国の一般会計における国債費は、そのほとんどが国債整理基金特別会計に繰り入れられ、そこで実際の償還や利払いなどが行われる。国債整理基金特別会計において当該年度に満期が到来する債務のなかには、借換(かりかえ)債を発行して償還財源とする借換償還と、借換債に依存せず償還する現金償還がある。なお、一般会計の国債費に計上される債務償還費には、借換償還分は含まれない。
地方公共団体の公債費は、会計区分や個別の地方公共団体によってその内容が異なる場合がある。地方財政統計上、統一的に用いられる会計区分である普通会計において、公債費の元金償還費には借換償還の有無にかかわらず当該年度に償還する債務の全額を計上する。個別の地方公共団体では、たとえば東京都のように公債費特別会計を設けている場合、一般会計の公債費には借換償還分の元金償還費は計上されていない。一方、青ヶ島村(東京都)のように公債の元利償還を行う特別会計を設けていない場合には、普通会計同様に一般会計の公債費に借換償還分の元金償還費が計上される。
[浅羽隆史 2023年4月20日]