日本大百科全書(ニッポニカ) 「共同生活兄弟会」の意味・わかりやすい解説
共同生活兄弟会
きょうどうせいかつきょうだいかい
Brothers (Brethren) of Common Life
オランダ中部のデベンテルに1370年代、ゲラルト・フローテやフローレント・ラーデベインスらによって創設された宗教団体。そこでは司祭も一般信者もともに隣人愛的共同生活のなかで、観想、祈り、清貧を実践することを目的とした。このような敬虔(けいけん)な生活を当時の人々は「新しい(キリストへの)献身」Devotio Modernaとよんだが、ここではとくに聖書や教父著作の書写が勧められた。最初は修道誓願をしなかったが、1387年ビンデスハイム修道院を建設して以後は「聖アウグスティヌス会則」に準拠する聖堂参事会となり、トマス・ア・ケンピスやニコラウス・クザーヌスらの人材を世に送った。
[今野國雄]