ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「兼子一」の意味・わかりやすい解説
兼子一
かねこはじめ
[没]1973.4.6. 東京
日本の民事訴訟法学を理論的に確立した代表的な法学者。 1929年東京帝国大学法学部を卒業後,ただちに同大学助手になり,助教授を経て,41年教授となった。民事訴訟法を担当。 57年退官したのち,弁護士として活躍した。また第2次世界大戦後,教授在官のままで法務府法制意見長官を兼ね,戦後の多数の立法に関与し,退官後は中央労働委員会委員または公共企業体等労働委員会会長として多くの労働関係事件の処理,解決にあたった。主著として,戦前の『民事訴訟法概論』 (1938) ,戦後の『民事訴訟法体系』 (54) ,『条解民事訴訟法』I,II (51) ,III (52) が知られる。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報