朝日日本歴史人物事典 「内山真弓」の解説
内山真弓
生年:天明6(1786)
江戸後期の歌人。名国章,通称理兵衛。法号穆如,月観。信濃国(長野県)安曇郡十日市場村で生まれる。文化7(1810)年25歳で上京,香川景樹に入門した。真弓の師景樹尊崇の念は強く,師説の体系化を志すこと切なるものがあり,『東塢亭塾中聞書』にその熱意を汲み取れる。同門の萩原貞起の援助のもと,信濃筑摩郡和田村に聚芳園を開いて門弟を教育,さらに景樹歌論の集成『歌学提要』を出版して桂園派の普及に多大の功績を残した。独自性には乏しいが,師説の祖述にかける執念は無類といってよい。<参考文献>矢ケ崎栄次郎『歌人内山真弓』
(久保田啓一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報