内案(読み)ナイアン

精選版 日本国語大辞典 「内案」の意味・読み・例文・類語

ない‐あん【内案】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制下で、公文書発給者がみずから作成し、正文(しょうもん)と同一であることを確認された控え。天皇への上奏など、発給までの手続きに用い、また多くの場合、発給した官庁に保管される。本案。
    1. [初出の実例]「応内案内侍宣、有勅、進奏之紙、臭悪者多、自今以後、簡清好者、応奏紙」(出典類聚符宣抄‐六・延暦九年(790)五月一四日内侍宣)
  3. 考えること。また、心のうちで考えを練ること。
    1. [初出の実例]「紅梅姫さまの病気も、愚老はつくづく内案(ナイアン)いたすに、勝たれないのはお主(しゅ)と病」(出典:歌舞伎梅柳若葉加賀染(1819)大詰)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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