正文(読み)ショウモン

デジタル大辞泉の解説

しょう‐もん〔シヤウ‐〕【正文】

写しや控えに対して、もとになる文書。正式の文書。原本

せい‐ぶん【正文】

説明・注釈などの注文(ちゅうぶん)に対して、文書の本文。
条約が数か国で作成される場合、条文解釈上のよりどころとされる特定の国語の文。国連憲章では、中国語・フランス語ロシア語・英語・スペイン語で書かれた文とする。
《正式の文章の意》漢文のこと。江戸時代まで、仮名書きの文は非公式のものとされた。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうもん【正文】

古文書学上の用語。案文(あんもん)に対する言葉で,しかるべき手続を経て作成され,相手方に送られて文書としての機能をはたしたものをいう。したがって正文は案文などに比べて,形式・内容ともに整っており,古文書の研究において最も重要な資料となるものである。簡単な私信は,差出人みずからが書いて相手方に届ける。しかし慎重な手続を必要とする公文書にあっては,まず草稿(これを土代(どだい)ともいう)を作り,それを推敲(すいこう)して清書をし,必要な手続をすませたうえで,差出人または発給の責任者が署名・花押・印章などを加えて相手方に送る。

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大辞林 第三版の解説

しょうもん【正文】

文書の原本。もとになる文書。

せいぶん【正文】

注釈文・説明文に対して、文書の本文。
条約において条文解釈の根拠とされる、特定国の言語による条約文。

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精選版 日本国語大辞典の解説

しょう‐もん シャウ‥【正文】

〘名〙 もとになる文書。正式の文書をさし、草案・控え・写しなどに対していう。原本。正本。⇔案文
※玉葉‐元暦二年(1185)正月一二日「毎度有感夢、彼僧正自筆注送之云々、即以其正文事体
※随筆・貞丈雑記(1784頃)九「正文とは本紙の事にて表むきへ出す書付也」

せい‐ぶん【正文】

〘名〙
① 正式の文字。規準の字体。
※今昔(1120頃か)二五「内印・外印可鋳き寸法㕝・正文定めつ」
② (正式の文章の意から) 漢文。江戸時代まで、かな書きの文は非公式であるとされたところからいう。
※随筆・孔雀楼筆記(1768)四「正文といひ、殊更篆字なれば、一向に読めず、解せず」
③ 説明・注釈などに対して、文書の本文。
童子問(1707)下「吾無家法。就論語孟子正文理会。是吾家法耳」
④ 二か国以上の間で公用語として決定された国語を使ってしるされた公文書。
※愛国者たち(1972)〈藤枝静男〉「ロシヤはわが国に正文がないことを認めていたことは明白です」

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世界大百科事典内の正文の言及

【案文】より

…案ともいう。文書を作成の順序に従って分けると,(1)草案,(2)正文(しようもん),(3)案文,(4)写しとなる。文書を作成するには,まず草案(草(そう),土代(どだい)ともいう)を作り,それを清書して相手に渡す。…

【古文書】より

…この際差出人は,草稿のほかに控えをとっておくこともある。相手方に届けられたものを正文(しようもん)という。正文は草稿・控え,さらには次に述べる案文(あんもん)に比べて,形式・内容ともに完備しており,古文書の研究にもっとも重要な資料となる。…

※「正文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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