化学辞典 第2版 「再結合反応」の解説
再結合反応
サイケツゴウハンノウ
recombination reaction
安定な分子が熱,光,放電などによって解離し,原子,遊離基,あるいはイオンとなったものが,互いにふたたび結合して安定な分子に戻る反応.再結合する二つの分子種がともに原子や遊離基であれば,解離前の分子そのものにも戻らない場合でも再結合反応という.2原子の再結合反応では,余分のエネルギーを吸収する第三体が必要である.たとえば,原子の固体表面上の再結合反応では,固体表面が第三体になっている.液体内で遊離基が再結合するときは,しばしばかご効果が重要な役割を果たしている.たとえば,アゾメタンの光分解ではメタンとエタンが生成するが,ラジカル捕そく剤が存在すると,気相ではメタン,エタンとも減少するが,液相ではメタンのみが減少し,エタンはほとんど変化しない.また,再結合反応は連鎖反応において,しばしば連鎖停止反応として重要である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報