(読み)べん

精選版 日本国語大辞典 「冕」の意味・読み・例文・類語

べん【冕】

  1. 〘 名詞 〙べんかん(冕冠)
    1. [初出の実例]「年雖足戴冕。智不敢垂裳」(出典:懐風藻(751)述懐〈文武天皇〉)
    2. [その他の文献]〔礼記‐礼器〕

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普及版 字通 「冕」の読み・字形・画数・意味


11画

[字音] ベン
[字訓] かんむり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(免)(めん)。上部(ぼう)は(冒)の初文で冠冕の形。〔説文七下に「大夫以上の冠なり。(ふか)き(おほひ)、垂れたる(りう)(、たれかざり)、(たんくわう)(耳当て)あり」という。〔歴代帝王図〕などに皇帝の冠するものがそれである。天子は前後十二(りゆう)、上公は九の定めであった。

[訓義]
1. かんむり、礼冠、大夫以上の冠。
2. 字はまた弁に作る。

[古辞書の訓]
字鏡集〕冕 カウブル

[熟語]
冕冠冕笏冕者・冕冕版冕弁・冕
[下接語]
華冕・冠冕・裘冕・軒冕・玄冕冕・冕・朱冕・珠冕・藻冕・端冕・貂冕・服冕・冕・弁冕・黼冕・麻冕・

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【服制】より

…五帝(太古の5人の帝王)を祀るときも同様である。先王(いにしえの偉大な天子)を享(まつ)るときは冕(こんべん)(竜のぬいとりをした礼服と冠)し,先公(王室の先祖)を享り饗射(きようしや)(お客のもてなしと弓を射る礼)するときには鷩冕(べつべん)(キジを描いた礼服と冠)し,四方の山川を祀るときは毳冕(ぜいべん)(虎と猿を描いた礼服と冠)し,社稷(しやしよく)(土地と穀物の神)と五祀(ごし)(五行の神)を祭るときは希冕(きべん)(米粒のぬいとりをした礼服と冕)し,その他の群小のお祭りには玄冕(衣に模様なく裳にぬいとりがあるだけの礼服と冠)する……〉。 このあと,縦軸に視点が移り,公は冕以下,侯・伯は鷩冕以下,子・男は毳冕以下,孤(大臣クラス)は希冕以下,卿(けい)・大夫(たいふ)は玄冕以下の着用が許されると書かれている。…

※「冕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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