改訂新版 世界大百科事典 「写真用電球」の意味・わかりやすい解説
写真用電球 (しゃしんようでんきゅう)
photo flood lamp
スタジオ照明や引伸しなどに使用される電球。ガラス球の内面に塗料を塗布した白色塗装電球とアルミニウムを蒸着した反射型写真電球がある。反射型は光束の開く角度によってスポット型(約20度)とフラッド型(約60度)に区別される。写真用電球には,いずれも700mmHg程度のアルゴンガスが封入されており,また写真効果を高める必要からできるだけ昼光に近い状態にするためにフィラメントの温度を高くしてあるので寿命は著しく短い。フィラメントの色温度は,白色塗装電球で3200~3400K,寿命は10~15時間,反射型写真電球で青色ガラス球を使用したものは4000~5800K,寿命は10~50時間程度である。引伸し用電球には,100~150W,色温度3000K,寿命200時間程度で,平頭型の白色塗装電球が使用される。広義には,せん光電球,映写用電球も含まれる。映写用電球は,光源を焦点に集中させるためにフィラメントは小さくしてあり,定焦点口金によって光学的に高精度の装着ができるように設計されている。100W~1kWまで各種あり,それぞれの映写機によって使い分ける。
執筆者:伊東 孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報