写真撮影用の電球。フラッシュランプflash lampともいう。ガラス球の中にアルミニウムまたはジルコニウムなどの金属細線の発光材料と燃焼用の酸素ガスを封入し、フィラメントにはジルコニウム粉末の着火剤が塗布されている。カメラのシャッターを押すと同時に、通電または衝撃により着火させ、発光材料を瞬間に燃焼させ、強い閃光を発する。ガラス球の外面には、使用時のガラス破損による破片の飛散防止のため、合成樹脂皮膜が施されている。また、昼光用は、発光色の色温度補正(3800~6000ケルビン)のため、青色の合成樹脂皮膜を用いている。
閃光電球は、点火後の発光の時間的変化により、MF(光のピークが点火後約10ミリ秒)、M(同じく約20ミリ秒)およびFP(同じく10~50ミリ秒)の各クラスに分類される。また、口金構造上、ベース形とベースレス(ウェッジベース)形がある。特殊形として、連続撮影できるように数個の閃光電球を反射笠(がさ)と一体に組み合わせたフラッシュキューブやフリップフラッシュなどがある。
写真撮影の閃光として、古くはマグネシウムなどを大気中で燃焼させたが、危険防止のため、1929年に閃光電球が実用化された。当初はアルミニウム箔(はく)を電球バルブ(外径60ミリメートル)に入れたものであったが、カメラの大衆化とともに小型化され、1959年のウェッジベースの実用化とともに多く使用されてきた。しかし1960年代に入ると、急速にキセノンフラッシュランプ(キセノンガス中の放電を利用した発光装置。いわゆるストロボ)などに置き換わった。
[小原章男・別所 誠]
写真の分野では,フラッシュバルブflash bulbともいう。ガラス球内にアルミニウム,またはジルコニウムの細線と燃焼用酸素ガスを封入し,その通電によって,写真の被写体を照明するために,短時間に限って大きな光出力を発する電球である。ガラス球の外周には,ガラス破片の飛散防止と色温度補正のためのプラスチック皮膜が施されている。色温度はアルミニウム細線封入が3800K,ジルコニウム細線封入が約4000~4400K,カラー用はガラス球外面に青色の塗膜をつけ色温度が5500Kである。カメラのシャッター,シンクロ接点などにより,MF,M,FPの各クラスに分類される。
執筆者:伊東 孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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