冬眠腺(読み)とうみんせん

精選版 日本国語大辞典 「冬眠腺」の意味・読み・例文・類語

とうみん‐せん【冬眠腺】

  1. 〘 名詞 〙 哺乳類頸部から肩甲骨のあいだにある褐色の脂肪組織。かつて冬眠する動物に特異的に見つかり、冬眠の生理に関与していると考えられていたのでこの名があるが、いまは褐色脂肪組織と呼ばれる。貯蔵脂肪である白色脂肪組織皮下脂肪)に比較して脂肪分解と脂肪酸酸化の能力が高く、産熱器官として体温調節に関わっているとされる。ふつうの哺乳類では新生児のときに発達し、成長にともない体温調節能力が高まるとともに退化する。シマリスヤマネなど冬眠する哺乳類では、冬眠に入る直前にもっとも発達し、冬眠から覚めるときにこの褐色脂肪組織がまず活性化し血流を温めて体温を上昇させる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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