気象学上の用語で、冷気が地形的な窪地(くぼち)である盆地や谷間に滞留している場合をいう。その規模は直径数メートルから数十キロメートルに及ぶ。滞留する冷気の厚さは夏に薄く、冬に厚く、周りの山の高さの0.2~0.3%程度、明け方の放射冷却によって冷気湖ができるときはかならず気温の逆転を伴う。また冷気が広がるためには無風であるよりは弱い風がいくらかでも吹いているほうがよい。また周囲の斜面に沿って流れ込む冷気が、冷気湖の主要な源となる場合もある。
日本では阿蘇山(あそさん)(熊本県)の火口原にできる冷気湖がよく知られており、これは、秋、大陸からの移動性高気圧に覆われたときに発生し、霜害をもたらしたりする。このため、熊本県阿蘇市役犬原(やくいんばる)の霜神社では行事として「火焚(ひた)き神事」の祭事を執り行い、8月中旬から10月16日まで火をたき続けるが、これは燻煙(くんえん)法による防霜効果と結び付いたものと考えられている。
[根本順吉]
東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...
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