分子人類学(読み)ぶんしじんるいがく(その他表記)molecular anthropology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分子人類学」の意味・わかりやすい解説

分子人類学
ぶんしじんるいがく
molecular anthropology

ヒト類人猿との系統関係や,現代人の諸人種の間の類縁関係などを,外形骨格の比較によるのではなく,蛋白質遺伝子 (DNA) の比較によって明らかにしようとする自然人類学の一分野。従来の形態学的な方法では結論の出なかったヒトと各種の類人猿との近縁関係について,チンパンジーが最もヒトに近く,ゴリラオランウータンの順で遠くなることを明らかにしている。分子時計の方法によるヒトとチンパンジーの分岐年代や人種分化の始った年代の推定も試みられているが,古人類学分野で考えられてきた年代とは必ずしも一致しない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android