デジタル大辞泉 「分子時計」の意味・読み・例文・類語 ぶんし‐どけい【分子時‐計】 DNAの塩基配列やたんぱく質のアミノ酸配列などの分子構造が、生物の進化に伴って変異することに着目し、共通の祖先を持つ生物種が進化の過程で分岐した年代を推定したもの。→分子進化学 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
知恵蔵 「分子時計」の解説 分子時計 核酸やたんぱく質の分子進化の速度が一定であると仮定すれば、各種生物の分子配列の違いを進化の速度を計る分子時計とみなして、経時的な変化の系列を推定することができる。分子進化は原則として中立的な突然変異の累積によって起こると考えられるが、中立的でない突然変異は自然淘汰の影響を受けるので、分子によって進化速度は異なる。機能的に重要でない分子ほど進化速度が速いので、使われていない遺伝暗号の塩基配列などが最も実用的な分子時計となる。 (垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分子時計」の意味・わかりやすい解説 分子時計ぶんしどけいmolecular clock DNAの塩基配列や蛋白質のアミノ酸配列などは一定の速度で変化していると推定されているので,各種生物間で変化量を比較検討することで,祖先からの分岐年代を測定することが可能となる。つまり DNAや蛋白質は進化の時間をはかる分子時計といえる。 DNAのおよそ 90%にあたる部分は遺伝暗号に使われていないので,その塩基配列は分子時計の一つとして利用できる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by