分子素子(読み)ぶんしそし

百科事典マイペディア 「分子素子」の意味・わかりやすい解説

分子素子【ぶんしそし】

分子1個レベルで,メモリースイッチングセンサーなどの機能を持つもの。現在主流となっているシリコン主役としたICの集積化には限界があることがわかっており,その壁を打ち破るものとして期待されている。一つ一つの分子はきわめて小さいため,人間が直接ハンドリングして回路を形成することは難しい。そのため,生体機能に見られる分子の自己組織化を利用し,その分子集合体の機能化などの方法が検討されている。ただ最近は,原子間力顕微鏡AFM)が原子レベルでのハンドリングを可能にしており,これを使った方法も研究されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分子素子」の意味・わかりやすい解説

分子素子
ぶんしそし
molecular devices

分子レベルで高度な集積度をもった素子をいう。分子レベルにメモリ機能をもたせることにより,現在のシリコンを中心とした ICの高密度集積化技術の限界をこえた,次世代デバイスの中心になるものと期待されている。特に有機分子については,バイオチップバイオエレクトロニクスなどと関連して大きな可能性を秘めており,研究開発が急速に進められている。

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