切売(読み)きりうり

精選版 日本国語大辞典 「切売」の意味・読み・例文・類語

きり‐うり【切売】

〘名〙
① 小さく少しずつ切って売ること。裁ち売り。
※俳諧・大坂独吟集(1675)下「爰なひじりは男なりひら ある時はかり衣のすそきり売に〈未学〉」
② (比喩的に) 他人の著作などからところどころ引き抜いたり、自分の経験や知識などを少しずつ出したりして、講義や著作に使用すること。また、良心などを少しずつなくしていく意にも用いる。
洒落本・廻覧奇談深淵情(1803)平安島之記「孔子の道のきりうりあれば、しゃかの道に立うり有」
時間を限って肉体を売ること。また、その女郎
※仮名草子・東海道名所記(1659‐61頃)二「比丘尼の方より、つきつけの切売(キリウリ)をいたし侍ることのかなしさよ」
④ わずかの時間ずつかけもちで働くこと。

きれ‐うり【切売】

〘名〙
① 布の端切れを売り歩いた女。
※俳諧・一幅半(1700)上「切(きレ)売の吹れてありく師走哉〈涼菟〉」
② 時間を区切って、身を売ること。また、それをする下級遊女
浮世草子好色一代男(1682)五「きたなきかこひするも、切売(キレウリ)の女に、よい着物をきせて見るも同じ事ぞと思ふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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