切捨・斬捨(読み)きりすて

精選版 日本国語大辞典の解説

きり‐すて【切捨・斬捨】

〘名〙
① 戦場などで、人を切り、そのままに打ち捨てておくこと。
※政基公旅引付‐永正元年(1504)七月一三日「隣郷・傍庄は悉放火、或生取、或切弃、濫吹凡雖過法」
※滑稽本・八笑人(1820‐49)二「いやはや以の外尾籠がましき狼ぜきに及び、すでに切捨(キリステ)にもなるべき所」
③ 物事を除き捨て、その部分を顧みないこと。
※真理の春(1930)〈細田民樹〉手形の手品師「東モスは一昨年の減資に、不良資産の切(キ)り捨(ス)てをしました時、それが不十分だったのです」
④ 計算で、概数のつくり方の一つ。求めようとする位に足りない端数を除き去ること。⇔切り上げ

きり‐す・てる【切捨・斬捨】

〘他タ下一〙 きりす・つ 〘他タ下二〙
① 切ってその部分を捨てる。切ってそのままにしておく。
※南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)二「長きこと有らば割却(キリステ)、少くは則ち更に添へよ」
② 打ち捨てる。除き捨てる。
※宇治拾遺(1221頃)六「ここは法師になりなんと思て、弓、やなぐひ、たち、刀きりすてて、法師になりぬ」
③ 人を切って、そのままにうちすてておく。
※史記抄(1477)五「周詩にはかうこそあれと云者あらば、市の中で斬すてうぞ」
④ 髪を切り落とす。江戸時代、武家や富家の後家が、鬢(びん)や髱(たぼ)はそのままで髻(もとどり)をひもで束ね、髪の先を短く切りそろえるのをいう。
※随筆・独寝(1724頃)上「げにや後家の笠の下より切捨(きりすて)し髪を見せたらんは」
⑤ 計算で、求めようとする位に足りない端数を捨てる。⇔切り上げる
※失業保険法(1947)二〇条の二「通算対象期間に一箇月に満たない端数があるときは、これを切り捨てる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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