精選版 日本国語大辞典 「切立」の意味・読み・例文・類語
きり‐たて【切立】
〘名〙
① 切りはじめること。また、切りはじめたもの。切ってから間のないこと。また、そのもの。
② 蹴鞠(けまり)の懸(かかり)の木で、根を切り落としたもの。通常の鞠場ではなく、臨時に鞠場を作る際に用いる。
③ 庭の植込み。
※大弐集(1113‐21)「おなじ人おなじ殿のひんがしおもてにきりたてをしおきて二三日まゐらぬ程に花のさきたれば」
④ 能舞台の橋懸(はしがかり)の前に立てる松。
※四河入海(17C前)一四「斬新と云は小袖なんどの新をきりをろしと云い、又きりたてと云類ぞ」
⑥ 遊女などが、時間ぎめの客を帰すこと。
※雑俳・俳諧觿‐三〇(1831)「ちとあちらへと切立に茶を二つ」
きっ‐たて【切立】
〘名〙
① 切りたてたように垂直にそびえていること。
② 竹または松を切り、立てて飾りとすること。
※北山殿行幸記(1408)「きっ立の松四本に」
③ 仕立て上がったばかりの衣服などをいう。仕立ておろし。
※洒落本・部屋三味線(1789‐1801頃)「人の裁立(キッタテ)のいもじをとりちがへたふりで」
きっ‐た・つ【切立】
(「きりたつ(切立)」の変化した語)
[1] 〘自タ四〙 まっすぐにそびえ立つ。直立する。切り立つ。
※詩学大成抄(1558‐70頃)二「江のそばに岸あり。きつ立てそびえたぞ」
※満韓ところどころ(1909)〈夏目漱石〉八「高いオベリスクが、白い剣の様に切っ立って」
[2] 〘他タ下二〙 そびえ立たせる。直立させる。
※玉塵抄(1563)五「かべのきったてた如なぞ」
きり‐た・つ【切立】
[2] 〘他タ下二〙 ⇒きりたてる(切立)
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