判金(読み)バンキン

デジタル大辞泉 「判金」の意味・読み・例文・類語

ばん‐きん【判金/版金】

《「はんきん」とも》近世貨幣で、大判金小判金。特に大判金。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「判金」の意味・わかりやすい解説

判金
はんきん

江戸時代の十両大判のこと。元来板金といい,薄く板のように延ばした金の種類をいった。その後,金座後藤氏の墨印のある,いわゆる書判の貨幣が流通するにいたり,判金といわれるようになった。のちには小判,歩判までも判金といわれた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「判金」の解説

判金
はんきん

江戸時代の金貨
通常大判(10両)という。金をのばした板金より出た語とも,金貨に記された金座後藤の書判から出た語ともいう。江戸時代以前からあったが,1601年慶長大判の鋳造以降制度的に確立した。日常取引はされず贈答用に用いられた。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の判金の言及

【金】より

…16世紀後期に畿内中心に1両=4匁4分に改まったが,両,分,朱の四進法と貫匁法を併用する便宜からであろう。極印を打ち品位を保証した判金は,すでに15世紀に貿易金として現れ,やがて戦国大名中に鋳造するものもあったが,京都,堺,奈良などに判金,極印銀を鋳造し,両替,秤量,吹替などを営む業者が現れた。16世紀末には地方にも同種の業者が出て,彼らを金屋(かねや),銀屋,天秤屋などと呼び,領主から特権を受けたものが銀座・天秤座である。…

※「判金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android