制度金融(読み)せいどきんゆう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「制度金融」の意味・わかりやすい解説

制度金融
せいどきんゆう

国や地方公共団体が制定した融資制度に基づく金融をいう。一般の民間金融と比較して低利かつ長期の融資を行うことによって、その融資分野を保護または奨励することを目的とする。制度金融のなかには広義には政策金融も含まれるが、狭義では政策金融のうちでも特別の融通制度に基づくものだけに限定される。制度金融の方法としては、政府資金を貸し付ける政策金融のほか、国や地方公共団体が民間金融を受ける借り手に利子補給する方法、地方公共団体が民間金融機関一定資金を預託して、その何倍かの資金を一定の制度に基づいて貸し付ける方法などがある。とくに地方公共団体は、中小企業金融制度、農林漁業金融制度や住宅金融制度を通じて、その分野の充実発展に大きな貢献をしている。

[原 司郎・北井 修]

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会計用語キーワード辞典 「制度金融」の解説

制度金融

国際協力銀行などが行う各種の融資制度であり、主として大規模なプラント輸出案件回収が長期にわたるような場合、また外交政策的に有用であると認められたような案件に対して行われる融資が代表的なものです。

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世界大百科事典(旧版)内の制度金融の言及

【水産金融】より

…小生産者は本来,通常の金融ベースになじまないが,自然条件の影響を強くうける漁業ではとくにそうであり,このため漁家,中小資本に対しては特別の金融措置が講じられている。これには組合系統金融(単に系統金融ともいう)とそれを補完する制度金融(〈政策金融〉の項参照)とがある。前者の頂点に立つのが農林中央金庫(農林中金),後者のそれが農林漁業金融公庫(農林公庫)であり,大手資本には一般金融機関が応ずる。…

【農業金融】より

…たとえば,農家がその生産物を農業協同組合を通じて出荷した場合,その販売代金は直接農協の貯金となるので,系統金融組織の資金吸収力は強い。 農業金融には,組合系統金融を中心とする民間金融のほかに,政府ないし地方自治体が関与している融資制度があり,制度金融と呼ばれている。これは農業発展に必要な長期・低利の資金を供給するために,財政資金を貸し付けたり,財政で利子補給を行ったりするものである(政策金融)。…

※「制度金融」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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