国際協力銀行(読み)コクサイキョウリョクギンコウ

デジタル大辞泉 「国際協力銀行」の意味・読み・例文・類語

こくさいきょうりょく‐ぎんこう〔コクサイケフリヨクギンカウ〕【国際協力銀行】

日本企業による輸出入・海外事業展開・外国企業の買収に必要な資金の融資などの業務を行う、政府系金融機関の一。JBIC(Japan Bank for International Cooperation)。
[補説]平成11年(1999)に日本輸出入銀行海外経済協力基金の事業を継承して設立。平成20年(2008)、政府系金融機関改革に伴い、株式会社日本政策金融公庫国際金融部門となる。平成24年(2012)4月、日本政策金融公庫から分離し、株式会社国際協力銀行(新JBIC)となった。

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共同通信ニュース用語解説 「国際協力銀行」の解説

国際協力銀行(JBIC)

日本政府が全額出資している特殊法人で日本輸出入銀行が前身。政府系金融機関の改革で日本政策金融公庫の傘下に置かれたが、2012年に再び独立した。現在の総裁は前田匡史まえだ・ただし氏。民間金融機関の補完を業務の原則に掲げ、日本企業の海外事業を融資や出資により支援している。石炭火力を含む発電設備のほか、鉄道などの大型インフラ輸出、石油天然ガスなどの資源開発といった案件が多い。

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精選版 日本国語大辞典 「国際協力銀行」の意味・読み・例文・類語

こくさいきょうりょく‐ぎんこう‥ケフリョクギンカウ【国際協力銀行】

  1. 政府系金融機関の一つ。平成一一年(一九九九)に日本輸出入銀行と海外経済協力基金を統合して発足。輸出入金融や日本企業の海外事業への出資、国際金融秩序安定のためのアンタイドローン供与等の国際金融等業務と、途上国地域円借款の供与等の海外経済協力業務を行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際協力銀行」の意味・わかりやすい解説

国際協力銀行
こくさいきょうりょくぎんこう

日本政府が全株式を保有する金融機関。英語名はJapan Bank for International Cooperation、略称はJBIC。株式会社国際協力銀行法に基づいて設立されている。民間の金融機関の業務を補完しつつ、「日本にとって重要な資源の海外における開発および取得の促進」「日本の産業の国際競争力の維持および向上」「地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とする海外における事業の促進」「国際金融秩序の混乱の防止またはその被害への対処」に資するリスクマネーの供給にかかる業務を担う。具体的には、海外におけるインフラや資源開発に関する資金供給、日本企業による海外展開(たとえば海外企業のM&A)の支援、環境問題への対応の支援など、各種のプロジェクト・ファイナンスが同行の中核ビジネスとなっている。加えて、2010年代ごろより出資業務の拡充にも力を入れている。

 同行は1950年(昭和25)に設立された日本輸出銀行(1952年に日本輸出入銀行に改称)が前身である。その後、1999年(平成11)10月に海外経済協力基金(OECF)と統合して(旧)国際協力銀行となった。そして、2008年(平成20)10月に設立された株式会社日本政策金融公庫(日本公庫)の一部門に統合されて国際金融部門を担うこととなった(この際、「海外経済協力業務及び外務省の無償資金協力業務の一部」は、国際協力機構JICA〉に承継)。さらに、2012年4月に日本公庫より分離して、現在の株式会社国際協力銀行が発足した。

[平田英明 2020年10月16日]

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百科事典マイペディア 「国際協力銀行」の意味・わかりやすい解説

国際協力銀行【こくさいきょうりょくぎんこう】

1999年10月,海外経済協力基金日本輸出入銀行が統合して発足した組織。英語名Japan Bank for International Cooperation(JBIC)。ODA関連の海外経済協力業務と,輸出入関連の商業融資にかかわる国際金融業務をになう。資本金は前者が6兆5043億円,後者が9855億円,両者の出融資残高は約21兆円(2003年度末)。行政改革の一環として2組織は統合されたが,前者の業務は内閣府,後者は財務省が所管する。
→関連項目財政資金産業投資特別会計政府関係機関政府金融機関プラント輸出輸出入銀行

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知恵蔵 「国際協力銀行」の解説

国際協力銀行

政府開発援助(ODA)のうちの借款業務と輸出入金融業務を担当する機関。1995年3月の閣議決定に基づき、海外経済協力基金(OECF : Overseas Economic Cooperation Fund)と日本輸出入銀行が統合し、99年10月に6兆3673億円の資本金で設立された。2006年3月末現在の出融資残高は19兆4928億円で、海外に27の駐在員事務所を持ち、職員数は869人。主な業務は、前身機関から引き継がれて、(1)海外経済協力業務(円借款、海外投融資など)と(2)国際金融業務(輸出入金融、投資金融、アンタイドローン、日本企業の海外事業に対する出資など)とに分かれている。業務資金の出所も異なり、自己資金の他、前者は一般会計出資金と財政投融資、後者は財政投融資と起債資金で賄われる。海外経済協力業務の主な目的は、発展途上国の自助努力を促す資金提供に、国際金融業務のそれは、日本の輸出入と日本企業の海外活動の振興に置かれている。

(室井義雄 専修大学教授 / 2008年)


国際協力銀行

日本輸出入銀行と海外経済協力基金とが、特殊法人の整理統合の一環として、1999年10月1日に統合された銀行。主要業務は、輸出入金融、投資金融、アンタイドローン、日本企業への出資、を柱とする国際金融等業務と、円借款などの有償資金協力を柱とする海外経済業務。特に円借款はODA(政府開発援助)の約4割を占め、日本のODAの中核の1つ。2006年3月10日の閣議において、政府系金融機関改組の一環として08年度より新政策金融機関に統合され国際金融業務を継承し、海外経済協力業務は国際協力機構に移行する予定。

(高橋進 東京大学大学院法学政治学研究科教授 / 2007年)

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