加古川宿(読み)かこがわしゆく

日本歴史地名大系 「加古川宿」の解説

加古川宿
かこがわしゆく

[現在地名]加古川市加古川町本町・加古川町寺家町

山陽道の加古川渡河地点にあたる加古川村と東隣の加古郡寺家じけ町に中世より宿場町が形成された。承久三年(一二二一)七月一〇日、隠岐へ向かう後鳥羽法皇に供奉した人々のなかで、内蔵権頭藤原清範は、加古川の宿より帰京している(皇代暦)。建長八年(一二五六)三月四日、守護代は広峯兵衛尉に対し、幕府が輸入し鎌倉建長寺に納める宋版一切経の搬送のため小宅おやけ宿(現龍野市)より加古川宿の間の持夫一〇人・兵士一人の準備を命じている(「守護代某夫役催促状」広峯文書)。観応元年(一三五〇)一二月五日、赤松範資は亡父則村(円心)領の「五箇庄内宿村付下司・公文政所名」などを足利尊氏より安堵された(「足利尊氏袖判下文案」森川文書)。この宿村は当宿をさすと考えられる(兵庫県史)。正平七年(一三五二)二月日赤松勢に参陣した広峯長種の舎弟則長は数日を賀古河宿で送り、赤松則祐より軍忠状の証判を受けている(「広峯則長軍忠状」広峯文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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