加島鋳銭所跡(読み)かしまちゆうせんしよあと

日本歴史地名大系 「加島鋳銭所跡」の解説

加島鋳銭所跡
かしまちゆうせんしよあと

[現在地名]淀川区加島四丁目

香具波志かぐはし神社の北西、神崎川のほとりに、元文三年(一七三八)より延享二年(一七四五)まで存在した鋳銭座。天王寺てんのうじ村・難波なんば村の両鋳銭所(跡地は現南区)とともに大坂三銭座の一つ。加島鋳銭所図(香具波志神社蔵)によると、鋳銭所はほぼ正方形の敷地に柵を回し、出入口は神社側と川側に各一つ、神社側にはさらに柵で囲みを作っている。敷地中央に大きな建物があり、周辺に長屋根が並び、南東の柵沿いにはさらに柵で囲まれた土蔵があった。

寛永一三年(一六三六)幕府は江戸のしば(現東京都港区)近江坂本さかもと(現滋賀県大津市)に銭座の開設を認めて寛永通宝を鋳造させ、鋳造高の一部を運上させた。その後も銭の需要の増加にしたがい各地の業者に鋳造を請負わせている。元文元年幕府は金銀の改鋳を行ったが、慶長金銀に比べて品質が劣り、銭相場が騰貴した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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