加美(町)(読み)かみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「加美(町)」の意味・わかりやすい解説

加美(町)
かみ

宮城県北西部、加美郡(かみぐん)の町。2003年(平成15)中新田町(なかにいだまち)、小野田町、宮崎町が合併して成立。西部を山形県に接する。奥羽(おうう)山脈を背景に鳴瀬(なるせ)川、田川が貫流する。山形県尾花沢(おばなざわ)市との県境に奥羽山脈越えの峠の鍋越峠(なべこしとうげ)がある。町域の東部を南北に羽後街道(国道457号)が走り、東西に走る中羽前街道(国道347号)と交差する。稲作畜産との複合経営による農業が主要産業であるが、工業団地も造成され、企業の誘致が行われている。国の重要文化財に江戸中期の民家の松本家住宅(1971年指定)が、指定史跡に奈良期の城生柵跡(じょうのさくあと)(1979年指定)、東山官衙遺跡(1999年指定)がある。また、魚取沼テツギョ生息地(ゆとりぬまてつぎょせいそくち)は国の天然記念物に指定されている(1933)。薬莱山(やくらいさん)は加美富士ともよばれ、船形連峰県立自然公園の飛地となっている。そのほか、優秀な音響効果を誇る中新田バッハホール切込(きりごめ)焼記念館などの施設がある。面積460.67平方キロメートル、人口2万1943(2020)。

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