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加藤民吉 かとう たみきち

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

加藤民吉 かとう-たみきち

1772-1824 江戸時代後期の陶工。
明和9年2月生まれ。加藤景遠の次男。尾張(おわり)(愛知県)瀬戸の人。文化元年天草,三河内,有田にいき,染付磁器の製法をまなんで4年瀬戸にかえった。それまでの製法を一新する染付磁器を完成させ,瀬戸窯業に隆盛をもたらした。文政7年7月4日死去。53歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典の解説

加藤民吉

没年:文政7.7.4(1824.7.29)
生年:安永1.2(1772)
瀬戸窯の磁祖とされる江戸後期の陶工。吉左衛門景遠の次男。享和1(1801)年,熱田前新田に父吉左衛門らと共に百姓として入植するが,熱田奉行津金文左衛門の勧めによって,父と共に磁器の焼成を試みる。文左衛門の援助によって,熱田新田古堤に染付焼窯を築き,同年瀬戸村に移窯。文化1(1804)年,津金文左衛門の養子津金庄七,代官水野権平,加藤唐左衛門,加藤吉左衛門らによって,より進んだ磁器焼成技術を学ぶために先進地である九州に派遣される。最初肥後(熊本県)天草の高浜焼で学び,肥前平戸(長崎県)の三河内焼に行き,その後佐々市ノ瀬焼(長崎県北松浦郡)の陶工福本仁左衛門のもとで修業,磁器焼成技術を学ぶ。有田で築窯などを学び,高浜焼の陶工上田源作より上絵具の伝授を受け,文化4年帰国し,染付焼御用達となった。民吉の持ち帰った技術によって瀬戸の磁器焼成技術は向上し,陶器窯の本業焼に対し,新製と呼ばれる磁器焼成が盛んになり,東日本の一大磁器産地として飛躍的な発展をすることになった。<参考文献>『瀬戸市史陶磁史篇3』

(伊藤嘉章)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

大辞林 第三版の解説

かとうたみきち【加藤民吉】

?~1824) 江戸後期の陶工。瀬戸の人。瀬戸の染付磁器創成のため、肥前へ渡り製磁技術を学ぶ。瀬戸の磁祖。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の加藤民吉の言及

【瀬戸[市]】より

瀬戸焼は鎌倉初期に宋で陶法を学んだ加藤四郎左衛門景正が窯をひらいたのが始まりといわれ,近世には尾張藩の保護を受けて発展した。一時九州産の磁器に押されて衰退したが,文化年間(1804‐18)加藤民吉が藩の命で磁器の製法を導入して盛り返した。明治時代に入り石炭窯の導入,瀬戸陶器学校の設立などにより近代化が進み,さらに第2次大戦後,重油・ガス窯が用いられるようになって食器のほかにノベルティ(装飾陶器),玩具,電気用品などが輸出用に大量生産され,全国屈指の陶磁器生産地となっている。…

【瀬戸焼】より

…尾張藩は産業政策として永代轆轤(ろくろ)一挺の制をたて,さらに享保年間(1716‐36)には一家一人制を設けて統制を行ったが,江戸中期以降しだいに衰微に向かった。 瀬戸の磁祖と仰がれる加藤民吉(1772‐1824)が1804年(文化1)肥前に赴いて磁器の技法を学び,07年新製染付焼を瀬戸で開始するに及んで,磁器生産が急速に瀬戸・美濃一帯にひろがり,藩の保護政策を得て盛況を取り戻した。以後,幕末までに川本塐仙堂,加藤五助らの良工の手で技術改良が加えられ,また加藤春岱(しゆんたい)(1802‐77)らの名工も出た。…

【染付】より

… 17世紀後半には急激に発展し,伊万里染付として海外にも輸出され,また延宝~元禄期(1673‐1704)には鍋島藩窯で精巧な鍋島染付が製作された。江戸時代後期には京焼でも染付磁器が作られ,次いで瀬戸でも加藤民吉が文化年間(1804‐18),肥前磁器の法を導入して染付磁器をはじめ,急速に発展して伊万里と比肩できるほどになった。これら伊万里,瀬戸,京都の染付磁器の影響は,各地の窯業地に及び,以後染付磁器は日本人の用いる陶磁器の代表的なものとなっている。…

※「加藤民吉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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