動物記(読み)ドウブツキ

デジタル大辞泉 「動物記」の意味・読み・例文・類語

どうぶつき【動物記】

シートン著作集。「私の知っている野生動物たち」(1898)、「大灰色グマの伝記」(1900)などがあり、精密な観察、すぐれた物語性により、動物文学の代表とされる。

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精選版 日本国語大辞典 「動物記」の意味・読み・例文・類語

どうぶつき【動物記】

  1. 動物物語。シートン作。一九世紀後半から二〇世紀にかけてカナダに住んだ作者が著わした動物物語の総称最初著作わたしの知っている野生動物たち」をはじめ、「灰色ぐまの伝記」など三十余編からなり、ファーブルの「昆虫記」と並び称される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「動物記」の意味・わかりやすい解説

動物記
どうぶつき

アメリカの動物文学作家シートンの著作集。最初のまとまった著作である『私の知っている野生動物』Wild Animals I Have Known(1898)以後、『大灰色グマの伝記』The Biography of a Grizzly(1900)、『動物の英雄たち』Animal Heroes(1905)など、およそ30編が選ばれている。いずれの作品も深い博物学の知識に裏づけられているが、単なる生活記録ではなく、個性をもった野生動物をかなり擬人化して描いている点に特色がある。また多くの主人公は悲劇的結末を迎えるが、これは著者の動物に対する愛情と自然保護の念が表現されていると考えられる。動物文学としてはファーブルの『昆虫記』と並び、日本では翻訳も多い。

[八杉貞雄]

『内山賢次訳『動物記』全9冊(角川文庫)』

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百科事典マイペディア 「動物記」の意味・わかりやすい解説

動物記【どうぶつき】

シートンの作品,《私が知っている野生動物》(1898年),《灰色熊の伝記》(1900年),《狩られるものの生涯》(1901年)などの動物物語。日本では〈シートン動物記〉と総称される。これらは精細な観察に裏づけられながら,みごとな物語化が施され,動物文学の代表的作とされる。さし絵もシートンが書いた。

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