勝見温泉(読み)かちみおんせん

日本歴史地名大系 「勝見温泉」の解説

勝見温泉
かちみおんせん

[現在地名]気高町勝見

JR山陰本線浜村はまむら駅の南側、浜村川西岸の山麓に位置する。近世には村地内にあたり、歴代鳥取藩主も度々訪れ、御茶屋も設けられていた。文政一二年(一八二九)の「勝見温泉由来記」などによると、往古白鷺片足を折って自由にならず、当地の沢中に一五日ほどとどまっていた。やがて傷が癒えて飛去ったので村人が不思議に思いそこを調べてみると、温泉が湧出していた。そこで初めはさぎ湯とよばれたという。天保一三年(一八四二)の湯村田畑地続全図(県立博物館蔵)には御茶屋の北に接して一之湯がみえ、次いで北へ順に二之湯・入込之湯・三之湯と続いている。弘化五年(一八四八)の「勝見由来」などによると各湯の様子は以下のようであった。まず一之湯は薬師山の下、岩石の底を伝って湧いている。二之湯は湯壺の底から湧き、一之湯よりも少し熱いが硫黄の匂いは少ない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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