デジタル大辞泉
「御免」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ご‐めん【御免】
- 〘 名詞 〙 ( 「ご」は接頭語 )
- ① 免許することを、その動作主を敬っていう語。
- [初出の実例]「出家の志の候ふよし〈略〉此由法皇へ伺ひ申して御免ありけり」(出典:平家物語(13C前)二)
- 「阿蘭陀船(おらんだせん)は御免ありて、肥前平戸へ船は来たしぬ」(出典:蘭東事始(1815)上)
- ② 免官、または、免職することを、その動作主を敬っていう語。
- [初出の実例]「エ御免(ゴメン)にお成りだとエ…ヲヤマどうしてマア」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
- ③ 容赦、赦免することを、その動作主を敬っていう語。
- [初出の実例]「御めんわたらせおはしまして、かれらを御たすけ候べし」(出典:曾我物語(南北朝頃)三)
- 「何とありとも我はまいるまい。御免あれとて弟子をのぼせて」(出典:史記抄(1477)一四)
- ④ 拒否する気持を表わす語。もうたくさんである。いやである。御免を蒙る。
- [初出の実例]「そんな事は、御免(コメン)だ御免だ」(出典:洒落本・辰巳之園(1770))
- 「どうも驚ろいた。以来君と旅行するのは御免(ゴメン)だ」(出典:二百十日(1906)〈夏目漱石〉二)
- ⑤ =ごめんがわ(御免革)〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ⑥ 「ごめんげた(御免下駄)」の略。
- ⑦ 他家を訪問したとき、また、辞去するときに言う挨拶(あいさつ)の語。
- [初出の実例]「『それぢゃ、まあ御免』と源さんが挨拶する」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉二)
- 「『御免』と訪問(おとづ)れる」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一一)
- ⑧ 謝罪、ことわりなどを言うときに発する語。
- [初出の実例]「『御めんなんし』とすわり」(出典:洒落本・寸南破良意(1775)手代)
- 「美登利さん昨夕(ゆふべ)は御免(ゴメン)よと突然(だしぬけ)にあやまれば」(出典:たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉六)
御免の語誌
もともと「許可」を意味する「免」に尊敬を表わす接頭語「御」のついた語。その後、「御免」の下に命令形を伴って、軽いことわりや、詫びの意を表わす「ごめんあれ」「ごめんくだされ」「ごめんなされ」などの形が生じた。これが定着すると、省略形としての「ごめん」も近世中期頃から用いられるようになった。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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