勾御厨(読み)まがりのみくりや

日本歴史地名大系 「勾御厨」の解説

勾御厨
まがりのみくりや

近世のまがり村付近に成立した伊勢神宮領。「神宮雑例集」に飯高いいたか郡所在の「勾ノ御厨」がみえ、「吾妻鏡」貞応元年(一二二二)三月三日条にも「相州賜伊勢国守護職御下文、是去年依合戦賞、拝領之処、彼状焼失之由依被申之、重所被成下也、此外、同国中十六ケ所賜之、所謂勾御厨(中略)両金法師跡以下云々」とみえる。承久合戦の勲功の賞として、伊勢国守護職とともに勾御厨なども相模守北条時房に与えられた。前守護大内惟信は承久の乱に際し京方となっているから、勾御厨以下も守護職と同様没収され時房に与えられたものであろう。「神鳳鈔」には「二宮三十一丁勾御厨各六石、六九十二月」とみえ、以後も帳簿上は戦国期に至るまで神宮領として存続したが、南北朝期の観応の擾乱にかかわる足利義詮御判御教書(園城寺文書)には、園城寺領勾御園が現れる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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