勿れ(読み)ナカレ

デジタル大辞泉 「勿れ」の意味・読み・例文・類語

なかれ【×勿れ/×莫れ/×毋れ】

形容詞「なし」の命令形禁止の意を表す。してはいけない。するな。「驚く―」「待つこと―」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「勿れ」の意味・読み・例文・類語

なかれ【勿・莫・毋・无】

  1. ( 形容詞「なし」の命令形 ) 動作を禁止するのに用いる語。するな。してはいけない。
  2. (イ) 形式名詞「こと」「とき」などをはさんで「…すること(とき)なかれ」の形で用いる。
    1. [初出の実例]「われも思ふ人もな忘れおほなわに浦吹く風の止む時無有(なかれ)」(出典万葉集(8C後)四・六〇六)
    2. 「初心の人二つの矢を持つ事なかれ」(出典:徒然草(1331頃)九二)
  3. (ロ) 直接、動詞の連体形に付けて用いる。
    1. [初出の実例]「邪魔をする勿(ナカレ)」(出典:婦系図(1907)〈泉鏡花〉前)

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