化粧掛け(読み)けしょうがけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「化粧掛け」の意味・わかりやすい解説

化粧掛け
けしょうがけ

陶磁器の装飾技法の一種。釉薬(ゆうやく)を掛ける前に、素地(きじ)の上に別のきめの細かい土を塗ったり掛けたりして、陶磁器を美しくみせること。釉(うわぐすり)の下に施される白土や赤土を、白(しろ)化粧土、黒(くろ)化粧土という。素地の純白化をねらった白化粧法が一般的で、中国では6世紀には早くも行われた。のち、さらに装飾効果が求められ、白化粧法と黒化粧法が開発された。北宋(ほくそう)時代の磁州窯で多く用いられた掻落(かきおと)し技法がこれで、器面の化粧掛けを掻き落として文様を表す。わが国でも、江戸時代の尾形乾山(けんざん)が白化粧を刷毛(はけ)で塗って銹絵(さびえ)で絵付し、絵画的趣向を凝らしたのはその好例

[矢部良明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「化粧掛け」の意味・わかりやすい解説

化粧掛け
けしょうがけ

製陶の一技法。陶磁器を焼く際,器面を美しく白く見せるために,素地に白色陶土を塗ることをいう。また素地の表面をなめらかにするためにも化粧掛けを行う。

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