北川千代(読み)キタガワ チヨ

20世紀日本人名事典 「北川千代」の解説

北川 千代
キタガワ チヨ

大正・昭和期の児童文学作家,小説家



生年
明治27(1894)年6月14日

没年
昭和40(1965)年10月14日

出生地
埼玉県大里郡大寄村(現・深谷市)

本名
高野 千代

別名
別名=江口 千代(エグチ チヨ)

学歴〔年〕
三輪田高女〔明治44年〕中退

経歴
女学校在学中から「少女世界」「少女の友」に詩文を投稿、また「少女倶楽部」にも少女小説を発表した。大正2年「たかね」創刊に参加。4年社会主義作家江口渙と結婚、江口姓で少女小説や童話を書いた。8年「赤い鳥」に童話「世界同盟」を発表。10年赤瀾会にも参加、社会主義思想に基づくヒューマンな作品を書く。11年江口と離婚、昭和9年労働運動家高野松太郎と結婚した。作品は「帰らぬ兄」「蝕める花」「楽園の外」「絹糸草履」「桃色王女」「明るい室」「春やいづこ」など。44年その業績を記念した児童文学の“北川千代賞”が設けられ、また「北川千代児童文学全集」(全2巻 講談社)が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「北川千代」の意味・わかりやすい解説

北川千代
きたがわちよ
(1894―1965)

小説家、児童文学者。埼玉県大寄村(現深谷市)生まれ。私立三輪田高等女学校中退。17歳のとき『街はずれの記』で『女学世界』から初めて原稿料50円を得る。1915年(大正4)アナキズム作家江口渙(かん)と結婚。19年『赤い鳥』3月号に『世界同盟』を発表。以後、貧困者の生活をリアルに描いた童話や少女小説を書く。37年(昭和12)処女童話集『父の乗る汽車』を出版。ほかに『おかあさんを売る店』『「汽車の婆(ばあ)」の話』など。少女小説開拓者としての業績を記念して69年(昭和44)に北川千代賞が設定された。

[西田良子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「北川千代」の解説

北川千代 きたがわ-ちよ

1894-1965 大正-昭和時代の児童文学作家。
明治27年6月14日生まれ。江口渙(かん)と結婚,のち離婚。大正10年社会主義婦人団体赤瀾(せきらん)会に参加。少女小説「絹糸の草履(ぞうり)」,童話「明るい空」などにまずしい人々の生活をリアルにえがいた。昭和40年10月14日死去。71歳。死後北川千代賞が設定された。埼玉県出身。三輪田高女中退。本名は高野千代。

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367日誕生日大事典 「北川千代」の解説

北川 千代 (きたがわ ちよ)

生年月日:1894年6月14日
大正時代;昭和時代の児童文学作家;小説家
1965年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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