十三浜村
じゆうさんはまむら
[現在地名]北上町十三浜
追波川の河口北岸から海に山が迫る三陸沿岸に集落が散在。近世を通じて本吉郡に属した。南は北上川を境に桃生郡釜谷浜・長面浜(現河北町)、北は神割崎で本吉郡長清水浜(現志津川町)と接する。吉浜で追波川に合流する江川、相川浜で海に注ぐ沢川がある。月浜より標高二九三メートルの大番平坂(大盤峠)を経て本吉郡水戸辺村(現志津川町)に抜ける大番平通、相川浜から大番平峠の東方にあった立樋坂(楯火峠)を経て水戸辺村に抜ける立樋通、海岸線と追波川左岸伝いの道がある(安永風土記)。追波川を利用した水上交通も盛んであった。また「封内風土記」によると、大室浜地区に松島など三島、大指浜地区に二(双)子島・黒島、小泊地区に松島がある。十三ヵ浜のうち、追波浜・吉浜・月浜の三ヵ浜に一人、立神浜・長塩谷浜・白浜・小室浜・大室浜・小泊浜・相川浜・小指浜・大指浜・小滝浜の一〇ヵ浜に一人の肝入が置かれた(「桃生南北本吉南方風土記」及川徳松家文書)。
正保郷帳に村名がみえ、田一〇貫四二五文・畑二一貫二五一文で柴山と注される。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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