日本大百科全書(ニッポニカ) 「本吉」の意味・わかりやすい解説
本吉(宮城県)
もとよし
宮城県北東部、本吉郡にあった旧町名(本吉町(ちょう))。現在は気仙沼(けせんぬま)市の南部を占める地域。旧本吉町は1955年(昭和30)津谷(つや)町と小泉、大谷(おおや)の2村が合併して成立。2009年(平成21)気仙沼市に編入。JR気仙沼線BRT(バス高速輸送システム)、国道45号、346号が通じる。西は岩手県に接し北上高地の丘陵性山地、東は太平洋に面するリアス海岸となっている。古くから産金の地として知られ、近代まで御岳金山(みたけきんざん)、大谷鉱山などがあった。平安末期は平泉藤原氏、戦国期は葛西(かさい)氏が支配した。近世は東浜(ひがしはま)街道、西郡(にしごおり)街道が通じ小泉、大谷、馬籠(まごめ)、津谷に宿場が置かれた。西部の馬籠は、製鉄地とともに隠れキリシタンの村として知られる。農林業、漁業のほかに牧畜も盛ん。沿岸一帯や田束(たつがね)山は三陸復興国立公園(旧、南三陸金華山国定公園)域。
[後藤雄二]