最新 地学事典 「十勝岳火山群」の解説
とかちだけかざんぐん
十勝岳火山群
Tokachi volcano group
北海道中央高地の大雪-十勝火山列の南西端にあたる火山群。気象庁の活火山名は十勝岳。基盤は先第三紀の日高累層群と中新世の美瑛層など。更新世ジェラシアン期とカラブリアン期に大規模な流紋岩質火砕流が噴出し,広大な火砕岩台地と火山構造性陥没地が生じた。その陥没地の大部分を埋積して,更新世カラブリアン期~完新世に多数の成層火山が生成。まず大麓山(標高1,459m)が,続いてオプタテシケ山(標高2,013m)・富良野岳(標高1,912m)・美瑛岳(2,052m)・上ホロカメツトク山(1,920m)などの成層火山につぎ,十勝岳頂上(2,077m)の溶岩ドーム,鋸岳などが形成。完新世に入って,グラウンド火口一帯から溶岩が流出,4,700年前と3,300年前には火砕流が発生。グラウンド火口内に中央火口丘,壁上に摺鉢火口などが生成。噴出物は高アルミナ玄武岩およびカルクアルカリ岩系の玄武岩~デイサイト。北西山腹や山麓に多数の温泉。山腹の褐鉄鉱・鉄明ばん石鉱床,中央火口丘の昇華硫黄はかって採掘。1857年,87年,1926~28年,62年,88~89年に活動。1926年噴火では,中央火口丘の北西部が崩壊して泥流を生じ144人が犠牲。62年にはグラウンド火口壁に沿って噴火,火砕丘形成,鉱夫5人死亡。
執筆者:藤井 義雄・石塚 吉浩
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

