千頭村(読み)せんずむら

日本歴史地名大系 「千頭村」の解説

千頭村
せんずむら

[現在地名]本川根町千頭

大井川中流右岸の段丘上にあり、同川支流寸又すまた川流域に位置する。遠江国榛原郡のうち。地名の由来は大井川の源であり、四川合流の地で伊豆美いずみの里とも称し泉頭とも記したことによる。「駿河国草薙神社記」では昔日本武尊が東征の時、逆徒を追いここに至って千首を切ったことから名付けられたという(遠江国風土記伝)。愛知県東浦ひがしうら乾坤けんこん院所蔵の血脈衆には文明一二年(一四八〇)から一八年にかけて一雲斎いちうんさい(現豊岡村)などで授戒した人名に千頭と注記された者が二〇人いるが、これを当地出身者とする説もある。明応七年(一四九八)七月二八日、今川氏親は藁科中務丞が千頭で忠節に励んだとして所領を給与している(「今川氏親判物写」諸事控覚帳、ただし同文書は検討の余地がある)。寛永一六年(一六三九)当村より奥泉おくいずみ村・犬間いぬま村が分村した(「御尋ニ付上書」森家文書)正保郷帳に村名がみえ、田方永三〇〇文・畑方永二五貫三〇〇文、幕府領、ほかに八幡領永一貫文、神向しんこう(現廃寺)領永六〇〇文。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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