改訂新版 世界大百科事典 「半工半学」の意味・わかりやすい解説
半工半学 (はんこうはんがく)
bàn gōng bàn xué
働きながら学ぶ中国の教育システム。半日労働・半日学習,隔日に労働・学習など形態は多様である。食糧などを生産したり,学費を稼いだりしながら教育も受けられる方法として解放区で普及した。58年以降,前期中等教育の普及をはかる手段として評価され,農村で半農半学の農業中学が,都市で半労半学の職業中学が急速に普及し,年末には2万校,生徒数200万人に達した。63年以降は,肉体労働と精神労働の差を縮小するのに役立つものとしてさらに奨励され,65年には6万1600校,生徒数443万3400人に増大した。文化大革命中は,これを学校の基本的形態とする方針が出されたが,大きな混乱を招き,教育の水準を著しく低めた。文革後は,後期中等教育を普及させる手段として広く採用されている。このほか,58年以降,青年,成人に対して,共産主義労働大学等の半労半学の学校の設立が積極的に取り組まれている。
執筆者:市川 博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報