南八王子地区遺跡群(読み)みなみはちおうじちくいせきぐん

日本歴史地名大系 「南八王子地区遺跡群」の解説

南八王子地区遺跡群
みなみはちおうじちくいせきぐん

[現在地名]八王子市西片倉町二―三丁目・みなみ野一―六丁目・小比企町・宇津貫町

八王子盆地の南縁、起伏に富んだ多摩丘陵内に立地する集落跡・窯跡総称。北側を湯殿ゆどの川、南側をさかい川に画された丘陵で、中を割って小河川が樹枝状に浸食を進めた谷戸が複雑に形成されている。地区の北端部に比較的広い平坦地をもつ舌状台地が存在し、各時代の大型集落跡が立地している。この丘陵を対象として、住宅・都市整備公団(現都市基盤整備公団)が行った広域の土地区画整理事業による開発によって明らかにされた遺跡群である。約三七〇ヘクタールにわたる地区内に総計六九ヵ所の遺跡が確認され、うち集落跡二一ヵ所・窯跡六ヵ所が現状保存となり、残る四二ヵ所が発掘調査されている。昭和五五年(一九八〇)に遺跡分布調査、同五六年試掘調査、同五七年から本格調査が実施された。現地調査は平成一一年(一九九九)に終わった(途中休断もある)。遺跡群を特徴づけるものとして、縄文時代に属する一、二軒程度の住居跡のみの遺跡、多数の落し穴などの土坑群のみからなる遺跡があげられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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