大原遺跡(読み)おおはらいせき

日本歴史地名大系 「大原遺跡」の解説

大原遺跡
おおはらいせき

[現在地名]一宮町坪井

かね川左岸の自然堤防上に位置する古墳時代から平安時代の集落跡。北西約二キロには初期国府推定地(春日居町国府)南西約一・八キロには後期国府推定地(御坂町国衙)南東約二キロには甲斐国分二寺跡(一宮町国分・東原)がある。工業団地造成に伴い、昭和六三年(一九八八)から平成元年(一九八九)にかけて約二万八〇〇〇平方メートルが発掘調査され、コンテナに約二五三箱分の膨大な遺物竪穴住居跡三五八軒、祭祀遺構および墓などが検出された。竪穴住居大部分は平安時代に属するが、重複が著しく、盛土により保存され本調査を行わなかった部分を合せると、住居総数が数百軒にも上るとみられる大規模集落遺跡であることが明らかとなった。

集落は古墳時代中期に出現し、当遺跡の北端部に検出された祭祀遺構周辺に形成され、分布も遺跡中央より北に偏在している。古墳時代後期になると住居の数が増え、集落は遺跡全域に拡大する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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